感想
非常に平易な表現で書かれていて、とても読みやすかった。
しかし、
ブッタの教えを振り返ってみると、「死んでからどうなるのか」ということは、いっさい説いてないことがわかります。(75頁)
と、示される部分に関して、誤りであると指摘したい。
仏教には輪廻転生という考えがある。生前の行いによって次の生が決り、生まれ変わるということである。
このことに関しては本書おいても
ブッダは、人は死んでも何か別の生物に生まれ変わるという輪廻転生の考え方をベースに、涅槃寂静を目指す教えを説きました。(35頁)
と示される通りである。
よく「お釈迦さまは死後の事を説かれなかった」という事を耳にするが、それは誤りである。人間は死んだら生まれ変わるというのが仏教の立場であり、その輪廻から抜け出すことを解脱といいその境地を涅槃や成仏といいそれこそが仏教の最終目的なのである。
死んだらおしまいというのではなく、生前の行いによって生まれ変わっていくというのが仏教の基本的な考え方である。